楽しんでやれとよく言われますが、僕にはその意味がわかりません。
ここに辿りつくまでのことを、『楽しんでやる』というような表現はとてもできません。
- イチロー -
(プロ野球選手)
どうも、矢島ヒデです。
これは超有名なイチローさんの言葉ですよね。
僕なんかが、
「同感します!」
なんて言っちゃうと、本当に厚かましい話ではありますが・・・。

つまり、一流の人間ほど”理想の自分”と”現実の自分”のあいだに大きなギャップがあり、そこに対して何らかの不満を抱き、その両方を一致させようと日々もがいてる。
そして、これを何とか擦り合わせようと日々努力しています。
「こんなんじゃダメだ!」
「俺ならもっとやれる!」
・・・と。

もう苦しいし、必死だし、悩みまくる。
で、この『もがき』の部分こそ、クリエイティビティの源泉になっているんじゃないかなぁと思います。
逆に言えば、この段階を乗り越えなければ、新しい何かを生み出すことは不可能です。
重要なのは、特殊な才能やスキルじゃない。あるいは、閃きでもなければ運でもない。
ただ、「どれだけもがいているのか?」ってことが、本物の一流になれるか否かの境目だと思うんです。
今回は、その辺りの話を掘り下げて書いていきます。
じっくりと読んでみてください。
記事の目次
「内的世界」と「外的世界」を受け入れる。

内的世界とは
内的世界とは、自分の中にある世界。
要するに、『理想』のことですよね。
そして、これはイメージ、想像力によって作り出されます。
なので、ある意味無限の可能性を秘めており、僕らが想像しうることは何でも実現可能です。
それこそ、スーパースターにもなれるし、空を飛ぶことだってできる。
何一つ制約のない、自由な世界だといえます。
外的世界とは
一方、外的世界とは、有限の制約に取り囲まれた厳しい『現実世界』のこと。
もちろん空を飛ぶことはできないし、垂直跳びで1mジャンプすることだって物凄く大変なんです。
何年も努力しないと飛べるようにならない。もしかすると、どんなに努力しても一生飛べないかもしれない。
かなり多くの制約があって、とても不自由な世界です。
なので、どんなに内的世界でイメージしても、そのうち現実になるのはほんのわずか。確率でいえば、100分の1くらいでしょうか。
内的世界と外的世界、この2つを近づけることはそれほどまでに難しいことなのです。
一流と二流以下の違い
人並み以上の結果を出そうと思ったら、この内的世界と外的世界、どちらも否定してはダメ。
理想ばかり追い求めて現実を無視してもいけないし、あるいは現実に縛られて理想を捨ててもいけない。
一流の人は、どちらも受け入れ、絶対に妥協しようとはしません。
その代わり、ひたすらもがきます。出来るかどうかは分からなくても、決してもがくことを諦めないんです。
つまり、どちらも踏まえたうえで、どんなに辛く苦しかろうが、常に目標に向かってチャレンジをし続けられるか否かが、「一流のプロ」と「その他大勢」を分ける境界線だといえるのです。
●●ちゃんの逸話
これは、冗談みたいな本当の話なのですが。
アーノルド・シュワルツェネッガーっていますよね?
あの筋肉ムキムキの”シュワちゃん”です。
昔、彼がボディビルダーの頃のインタビュー記事を読んだことがあるのですが、彼は筋トレをする際に、

と本気で語っていました。
つまり、内的世界において、彼は巨大な山と化していたのです。
まぁ、合衆国を潰すくらいって一体どんな山だよって感じですけど(笑)。
でも、内的世界では可能なんですよね。
で、それをイメージしながら毎日トレーニングを続けることによって、結果的に彼はボティビルの世界大会で7連覇という偉業を成し遂げたのです。
要するに、シュワちゃんは内的世界と外的世界を近づけることに成功したわけです。
一流になれる人間の共通点とは?

①強靭な知性
まず、力強い知性が不可欠です。
めちゃくちゃ頭がいい必要はないけれど、せめて人並みの知的活動ができないと1流になるのは難しいと思います。
で、ここでいう知性とは、別に学校の勉強ができるとか、計算が早いとか、英語が喋れるとか、そういう意味ではなく・・・。
一言でいえば、道徳や倫理観も含めた”正しいものを見抜く力”だと考えてください。
先述した通り、内的世界は”無限の可能性”を秘めています。
それこそ、どんな想像もできるし、どんな選択肢だってあり得る。
でも、その中には、現実的に意味のあるものと、荒唐無稽なだけのものが存在するんですよね。
だって、僕らは想像の中の人生を良くしたいわけじゃないですよね?
誰しも、この現実の人生をより良くしたいと考えているはずです。
そのために、一生懸命学んだり、努力したり、あるいは悩んだりしているのです。
そう考えたときに、一定以上の結果を出そうと思ったら、現実的に意味のない空想ばかりに時間を費やしている暇はないんですよ。
これは科学的な研究でも明らかになっており、一流になる人ほど、その対象に打ち込んでいる『総時間数』が圧倒的に多いことが分かっています。
つまり、それが「本当に意味のあるものかどうか?」をしっかりと見極めていく”知性”が必要になってくるということです。
②情熱的な努力
2つ目は、情熱的な努力です。
これは前回の記事で解説した「意志力」や「ルール設定」とも大きく関係してきます。
先ほどのシュワちゃんの例でいえば、いくら二の腕を山のようにデカくしたいと思っていても、ぼっーっと家でテレビばかり観ていたら、絶対に達成することはできません。
それを実現させるためには、情熱をもって打ち込む。とにかく献身的な努力がなければ、現実世界を変えることは不可能です。
先述したように、外的世界にはたくさんの制約があります。
そこを乗り越えるためには、人の何倍も努力することが大前提になるのです。
③宙ぶらりんに耐える力
世の中の大半は、白黒ハッキリしないことばかりです。
明確な答えがあるのは、学生時代のテストや受験勉強で終わり。それ以降は、基本的にすべてのことが”グレー”なんですよ。
特に、真面目に生きれば生きるほど、
「何だかよく分かんねぇな・・・。」
という状態が何十年も続きます。
でも、それってやっぱり嫌だし、普通は早くハッキリさせたいと思うわけです。
しかし、科学的な研究の結果、一流の人はこの状況に耐える力が強いことが明らかになっています。
具体的な研究内容については、以下で詳しく書いているので読んでみてください。
逆に、一流になれない人は、この宙ぶらりんの状況に耐えられない。
すぐに、「Aか?Bか?」「白か?黒か?」という分かりやすい答えを求めがちです。
そうやって、自分を何となく安心させて、間違った形で理解して、正しくない方向にどんどん進んじゃうので、最終的におかしなことになってしまうわけです。
④それらを支える孤独
そして最後に、これらを支える孤独です。
前回の記事「天才の作り方」にも詳しく書きましたが、圧倒的な知性や努力というのは孤独のときこそ達成されるものです。
これは大規模な研究でも明らかになっており、人は孤独でいるときこそ、クリエイティビティが発揮されます。
逆にいえば、孤独のなかでしか、自分自身を深めていくような濃密な時間は得られないのです。
また、孤独との向き合い方については、こちらの記事で詳しく書いているので是非読んでみてくださいね。
最後に
スポーツ選手や音楽家、画家、科学者など・・・。
世間で一流と呼ばれているような人たちは、必ずどこかのタイミングで絶望を味わっています。
どんなに努力しても、
「自分が望むような結果が得られない。」
と思う瞬間が絶対にあるからです。
でも彼らは、理想と現実のあいだで、何とか内的世界と外的世界を一致させようと必死にもがきます。
実現できるかどうか分からなくても、絶対に諦めない”不屈の精神”でチャレンジし続けるんです。
そんな圧倒的な想いの強さこそ、一流の条件なんじゃないかと思います。
以上、最後まで読んでくれてありがとうございました。