どうも、矢島ヒデです。
誰もが一度は、天才に憧れたことがあるのではないでしょうか?
天才の研究は、ここ30年くらいで急速に進んでおり、それを検証するためのデータもかなり出揃いつつあります。

それこそ、ほぼ全ての先進諸国の大学で、このような研究をやっているといっても過言ではなく、最近かなり多くの論文も発表されています。
そこで今回は、その研究によって得られた知見を応用しながら、
今、天才と呼ばれている人たちについて、
「科学的に、何が分かっているのか?」
という部分を体系立てて解説していこうと思います。
ここで紹介する内容は、どこにも書かれていない秘匿性の高い情報です。
最後までじっくりと読んでみて下さい。
記事の目次
最新の研究によれば「天才の遺伝子」は存在しないことが判明!

生まれながらの天才は存在しない
先述した通り、天才に関する研究は世界規模でおこなわれています。
その結果、全ての研究において共通して分かったのが、いわゆる一流と呼ばれているような人たちに、
「特別な才能は発見できなかった。」
という事でした。

その代わり、天才のみが持つ際立った特徴がいくつか出てきました。
これは、スポーツ選手や音楽家、画家、科学者などあらゆるジャンルにおいて共通していえることです。
その業界のトップに君臨する人と、そうではない人の間には大きな違いがあったのです。
天才に関する研究から分かったこと
①対象に打ち込んだ総時間
これは何となく予想がつきますが、1つ目は『総時間数』です。
野球だったら野球、サッカーだったらサッカー、音楽だったら音楽・・・。
別に何でも構いませんが、その対象に打ち込んでいる総時間数に大きな差がありました。
②「一人」で打ち込んだ総時間
で、もう一つのほうが、個人的には結構面白いと思ったんですが、その対象に打ち込んでいる総時間数のうち、
「どれくらい一人で打ち込んでいるか?」
という部分が決定的に違いました。
これは昔から心理学の世界などで言われていたことなのですが、科学的に立証できたのはかなり画期的なことだったんですよね。
例えば、同じ勉強をするでも、みんなで仲良く6時間勉強するのと、1人で集中して6時間勉強するのでは、全く意味が違うということです。
世界規模の研究を踏まえて言えること
結果だけを見ると、
②「一人」で打ち込んだ総時間
以上2つが、あらゆる国で30年近くに渡る大規模な研究、調査をすることで導き出された共通点になります。
ある意味、

とも思えるし。
逆に、

という話にもなるわけです。
まぁ、どう捉えるかは人それぞれでしょうが、いずれにしても今分かっているのはこの2つだけ。
で、「どれくらい時間数が違うのか?」というデータも出ていたので、一応簡単に紹介しておきますね。
一番有名なのがヨーロッパの音楽院を対象とした研究になります。
まず、その学校の生徒を、
・平凡なグループ
・劣っているグループ
この3つに分け、どうこの辺りの時間に差がついているのかを調べたわけです。
で、何が決定的に違ったのかというと、まずは18歳までにその楽器に打ち込んだ「①総時間数」。
優秀なグループの人たちは、平均すると7,500時間くらい練習していたのに対して、それ以外のグループは5,000時間くらいしかやっていませんでした。
その時点で、”約2,000時間”の差がついていたのです。
さらに決定的だったのが、「②1人で打ち込んだ総時間数」。
その音楽院の生徒たちは、平均すると週50時間くらい練習をしているのですが、そのうち優秀なグループの人たちは”20時間以上”をたった1人で練習していました。
逆に、それ以外のグループの人たちは週10時間も1人でやっていませんでした。
なんとトップのグループと比べると、”2倍以上”の差がついていたのです。
現時点では、これくらいしか違いが分かっていないのが実際のところです。

でもね、よく考えてみて下さい。
ここまで述べたことは、ある種当たり前のことかもしれませんが、実際にやろうとしたら凄く難しいと思うんですよ。
それこそ、ひたすら何時間も『1つ』のことをやり続けられるのか。
しかも、そのうちの約半分を「1人ぼっちで打ち込みなさい!」と言われたところで、実際に達成できる人はほとんどいないのではないでしょうか。
だから、多くの人はトップの中のトップ、いわゆる一流になることが出来ないという見方もできます。
天才と呼ばれる人に共通して認められる特徴とは?

では、一流と呼ばれるような人たちは、なぜ1つのことにひたすら打ち込むことが出来るのでしょうか。
実は、そのような研究もかなり進んでおり、大体まとめると以下5つの特質があると言われています。
②意志力
③ルール設定
④孤独の有意味化
⑤ディテール
これは、純粋なデータのみを持ってきたわけではなく。僕の主観も多少入っているので、1つずつ詳しく解説していきますね。
①必然性
1つ目は、必然性です。
一流と呼ばれる人たちは、ただ闇雲にトレーニングを行うようなことはしません。同じ6時間を練習するにしても、凡人とは全く質が異なります。
そして、その質は何によって担保されるのかというと、この「必然性」と呼ばれるものなんですよね。

霊長類最強の男、ハンマー投げの室伏選手や大リーグのイチロー選手なんかは、かなり特殊なトレーニングをしていて、世界中から大きな注目を集めています。
で、どう変わっているかというと、2人ともケガが増えるという理由で、バーベルを上げまくったり、走りまくったり、飛びまくったりっていう一般的なトレーニングはほとんどしていないそうです。
それこそ、室伏選手でいえば、新聞紙をテーブルの上に広げて、その中心を片手で掴みひたすらボールのように小さく丸めていくトレーニングをしてたりします。
これを1,000枚とか2,000枚とか、延々と一日中やっているんです。
完全に意味分からないでしょ(笑)。もし、それで握力を鍛えたいのであれば、普通に握力を鍛える道具を使えばいいじゃないですか。
わざわざ、新聞紙なんて使う必要はないんですよ。
(僕のような凡人であれば、そう乱暴に捉えてしまいがちですが・・・。)
でも、室伏選手にとっては、その新聞紙じゃなければダメな理由があって、何らかの”必然性”のもとでやっているわけです。
逆にいえば、何らかの意味を確信しているからこそ、朝から晩までそんなつまらないことを繰り返せるとも言えます。

当然ですが、
「これをやって、本当にハンマー飛ぶようになるのかなぁ・・・。」
と思いながら、それを続けることは不可能ですよね。
つまり、もう彼にしか分からない領域なんです。
僕みたいのが、「室伏もやっているから俺もやるぜ!」と見よう見まねで始めたところで、恐らく大した効果は得られないでしょう。
それが、必然性という感覚です。
それじゃなきゃ、どうしてもダメな何かっていうものを見つけられるかどうか。
だから、どんな分野の一流選手でも、わりと変わったトレーニングをしている人が多いんですが、それは別に奇をてらってやっている訳じゃない。
それをしないと伸びない。凡人には理解できない何らかの感覚を見つけているんだと思います。
そして、これが”必然性”と呼ばれるものの正体です。

②意志力
2つ目は、意志力です。
一言でいえば、やると決めたら最後までやり抜くってことですね。
でも、それは単なる根性論ではありません。先述したように、必然性の感覚があるからこそ続けられるわけで。
もし、この感覚がなければ、
「別にこれじゃなくても良いんじゃね?」
ってな感じで目移りしてしまいます。
で、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ・・・。全てが中途半端になり、最終的には何も残らなくなってしまう。

一流の人は、決して適当なことに時間を使ったりはしません。
だって、少しでも無駄なことをしていたら、ライバル達にすぐに置いてかれてしまいますからね。
特に、室伏広治なんて、ハンマー投げの選手のなかでは非常に小柄なんですよ。
明らかに体格では不利な状況にも関わらず、世界のトップに君臨し続けた男なのです。
そして、それを支えているのが強靭な”意志力”でした。
そこには、決して諦めないという純粋な意志力もあれば、強い必然性に支えられた確信みたいなものもあったはずです。

③ルール設定
3つ目は、ルール設定です。
一流の人ほど、これが凄く上手だと言われています。
当たり前ですが、何かやる度に、いちいち自分で「よし、やるぞ!」「よし、やるぞ!」と気合いを入れていたら何事も続きませんよね。
多分、それだけで疲れちゃうと思います。
でも、それを習慣化してしまえば、そこに意志力は要らなくなるんですよ。
例えば、毎朝走ると決めたなら、朝起きて眠かろうが、辛かろうが、雨だろうが、風だろうが、とりあえず着替えて外に出てみる。
このようなルールを設定することで、意志力によって心が消耗するのを避けることが出来るんです。
何でもかんでも根性だけで乗り切ろうとすれば、いずれ必ず限界がやってきます。
モチベーションを効率良く発揮するためにも、それが有効に働くような環境を作っていくことが重要なのです。

④孤独の有意味化
何事も1人で打ち込むということは、物凄く孤独な作業です。
普通、そんなに長時間1人ではいれません。
きっと誰かと喋りたくなる。「今オレ、こんなこと頑張ってんだ!」とか「お前もちょっとやってみろよ!」とか言いながらやりたくなってきます。
嘘だと思うなら、室伏選手のように新聞紙を一日中黙々と丸め続けてみてください。
大抵の人は、20分くらいで嫌になると思います。
でも、そういうことです。仮にそれが楽しいものだったとしても、一日中ず〜っと集中して何かに打ち込むというのは、相当しんどいものなんですよ。
じゃあ、なぜ一流の人たちはそれが可能なのか?
もちろん、先にあげた必然性の感覚や意志力の強さも重要ですが、それと同じくらい孤独に対する意味付けが上手いことが分かっています。
要するに、寂しいとか、虚しいとか、つまらないとか、そういうネガティブなことを考えるのではなく、
「この孤独こそが、自分の内面を育むんだ!」
「この苦しい時間こそが、良い記録につながるんだ!」
と、ポジティブな意味付けをして、それを乗り越えているのです。
これは科学的にも実証されていて、先述したヨーロッパの音楽院を対象とした研究でも明らかになっています。
トップグループの人たちも、決して1人で練習することが楽しいなんて思っていませんでした。
それどころか、つまんないし、きついし、辞めたいと、みんな答えています。
むしろ、アンケートの調査結果では、トップグループにいる人のほうが、「練習がつらい。」と回答している割合が多かったくらいです。
やっぱり、みんな苦しいんです。しかも、上に行けば行くほど苦しくなっていきます。
だけど、それを何らかの方法で乗り越えていくからこそ、本物の一流なのでしょう。

⑤ディテール
最後が、ディテールに対する感覚です。
「神々は細部に宿る」という言葉もある通り。要は、細かい部分までこだわることが出来るかどうかってことです。
例えば、ピアノでいえば、同じ部分を押さえて「ジャ~ン!」と弾けば、誰でも同じ音を出すことはできますよね?
だけど、音の質は違います。
誰が、どう弾くかによって、全く違う音色が生まれるのです。
具体的な例を1つあげると、ヨーロッパの音楽院に通っている声楽家にアンケート調査を実施したところ、トップグループの人たちの多くは、ボイストレーニングを「厳しい」「辛い」「細かい」と答えていました。
逆に、一番下のグループの人たちは、「楽しい」「大声が出せる」「ストレス発散」と感じていたんです。
何事も細かいところまで気にし始めたら終わりなんてありません。
だから一流の人たちは、その終わりがないことを承知のうえで、それを丁寧に一個ずつマスターしようとするから、余計に練習が厳しいものだと感じていたのでしょう。
一方、二流以下の人たちは粗い。ディテールが詰められてない。一流の人に比べると、かなり乱暴な意識でやっていることが分かります。
このディテールを詰めるという感覚は、技術でもそうだし、知識でもそうだし、あるいは経験でもそうですが、どこまでモノを細かく見れるかってこと。
つまり、一流の人ほど丁寧に世界を捉えていたわけです。
最後に
今回の話をまとめると、天才を研究して分かったことは以下の2つ。
②「一人」で打ち込んだ総時間
この総時間数が、一般の人と比べると明らかに多かったということ。
そして、これらを支えているのが、
①必然性
②意志力
③ルール設定
④孤独の有意味化
⑤ディテール
以上、5つの条件という風に言えるのかなぁと思います。
野球のイチロー選手も、

と、インタビューで語っていました。
天才を作っているのは、圧倒的な努力と、あとはどれだけ試行錯誤するかの量なんじゃないかと思います。
しかも、それは1人じゃないと出来ません。
みんなとワイワイやりながら試行錯誤するのは不可能ですから。
そういう意味では、やはり天才は孤独なのかもしれませんね。
以上、最後まで読んでくれてありがとうございました。