【天才の作り方】生まれつきの才能や努力よりも重要な要素とは?

アルバート・アインシュタイン

こんにちは、矢島秀人です。

最近、天才の生態に興味が湧いて色々と調べていました。

この種の研究は、1990年頃から世界規模で大々的に行われるようになり、多くの検証データが出揃いつつあります。

研究開始から30年以上経過したことで、当時子どもだった人物が「その後、どうなったのか?」という追跡調査の結果なども明らかになり、面白い事実が段々とわかってきたのです。

そこで今回は、数々の研究によって得られた知見を参考にしながら、今天才と呼ばれている人たちについて「現時点で”科学的”に何が分かっているのか?」という部分を体系立ててまとめました。

「天才の遺伝子」は本当に存在するのか?

天才と一流

環境か遺伝か

天才に関する研究は世界中で行われていますが、ほぼ全ての研究で共通して分かったことがあります。

それは、いわゆる一流と呼ばれているような人たちに、

「生まれつき特別な才能は発見できなかった」

ということです。

例えば、2015年ロンドン大学キングス・カレッジのチームが英の精神医学会誌に発表した論文はわりと有名ですが、高いIQをもつ人々と一般水準の人々との間の遺伝情報の差をいくら調べても、特別なものは何も見つからなかったという。

つまり、結果としてわかったのは「天才の遺伝子」は存在しないということでした。

矢島秀人
「生まれつき特殊な能力や才能があるはずだ!」というある意味バイアスのかかった科学者たちがいくら探しても、それらしきものは何も出てこない

その代わり、天才のみが持つ際立った特徴がいくつも明らかになりました。

これはスポーツ選手や音楽家、画家、科学者などあらゆるジャンルにおいて共通して言えることです。

業界のトップまで登りつめた天才たちと、はたまた三流のまま終わってしまった凡人たちには決定的な違いがあったのです。

 

天才に関する研究から分かったこと

①対象に打ち込んだ総時間

何となく予想がつきますが、1つ目は特定の対象に打ち込んだ総時間です。

例えば、野球だったら野球、サッカーだったらサッカー、音楽だったら音楽、絵画だったら絵画。

別に何でも構いませんが、天才と凡人ではその対象に取り組んだ総時間数が大きく異なりました。

 

②「一人」で打ち込んだ総時間

こちらのほうが個人的には面白いと感じたのですが、その対象に打ち込んでいる総時間のうち、

「どれくらい”一人”で打ち込んでいるか?」

という部分が天才と凡人では決定的に違いました。

これは心理学の世界では昔からよく言われていたことですが、科学的なレベルで立証したのはわりと最近の話。

例えば、同じ時間勉強に取り組むにしても、みんなでわいわい取り組むのと、たった一人で集中して取り組むのでは全くその質が異なるということです。

 

これまでの研究を踏まえて言えること

結果だけを見ると、

①対象に打ち込んだ総時間
②「一人」で打ち込んだ総時間

以上2つが、あらゆる国で30年以上に渡る大規模な研究、調査を行うことで導き出された共通点になります。

ある意味では「あ、なんか希望が持てるかも!」とも思えるし、逆に「えっ?これだけなの?」という何だか肩透かしを食らったような気分にもなる。

まぁ、どう捉えるかは人それぞれでしょうが、いずれにせよ現時点で科学的に分かっているのはこの2つくらいしかないわけです。


一応補足として、論文には「どれくらい打ち込む総時間が違ったのか?」というデータも詳しく出ていたので簡単に紹介しておきます。

最も有名なのが、ヨーロッパの音楽院を対象とした研究になります。

まずは、その学校の生徒を、

・優秀
・平凡
・劣っている

3つのグループに分け、どうこの辺りの時間に差がついているのかを調べたわけです。

その結果、まず18歳までにその楽器に打ち込んだ「①総時間数」に決定的な差がありました。

優秀なグループの生徒は、平均7,500時間くらい演奏していたのに対して、それ以外のグループは5,000時間くらいしか演奏していませんでした。

その時点で、約2,000時間もの差がついていたのです。

さらに決定的だったのが、「②1人で打ち込んだ総時間数」の違いです。

当時の音楽院の生徒たちは、大体平均すると週50時間ほど練習していたのですが、そのうち優秀なグループの生徒たちは20時間以上をたった1人で練習していました。

一方、それ以外のグループの人たちは週10時間も1人でやっていませんでした。

つまり、天才と凡人では一人で対象に打ち込んだ時間に”2倍以上”の開きがあったのです。

矢島秀人
恐らく何十億〜何百億円という予算を使っているにも関わらず、ある意味最高につまらない研究結果が導かれたわけですが(笑)

ここまで述べたことは、ある種当たり前のことかもしれません。

でも、実際にやろうとしたら凄く大変なことです。

それこそ、ひたすら何時間も集中して1つのことをやり続けられるのか。しかも、そのうちの約半分を「1人ぼっちで打ち込みなさい!」と言われたら、実際に達成できる人はほとんどいないのではないでしょうか。

だから、多くの人はトップの中のトップ、いわゆる一流になることが出来ないという見方もできるわけです。

天才と呼ばれる人に共通して認められる特徴とは?

天才の特徴

一流と呼ばれるような人たちは、なぜ1つのことにひたすら打ち込むことができるのか。

実は、そのような研究も数多く行われており、ざっくりと以下5つの特質があると言えそうです。

①必然性
②意志力
③ルール設定
④孤独の有意味化
⑤ディテール

これは純粋なデータのみを持ってきたわけではなく、僕の主観も多少入れたうえで再構築した独自の概念です。

一般的に使われている意味とは多少異なる部分もあるので、以下で言葉の定義などを詳しく解説します。

 

①必然性

まずは、必然性です。

一流と呼ばれる人たちは、ただ闇雲にトレーニングを行うようなことはしません。同じ練習をするにしても、我々凡人とは取り組み方や質が全く異なります。

そして、その質が何によって担保されるのかと言えば、この「必然性」と呼ばれるものです。

矢島秀人
「必然性」という概念を説明するのは非常に難しいのですが、分かりやすくスポーツに例えて説明したいと思います。

例えば、霊長類最強の男ハンマー投げの室伏広治選手や大リーグのイチロー選手なんかは、かなり特殊なトレーニングを行っており世界中から大きな注目を集めています。

どう変わっているかというと、2人とも「怪我が増えるから」という理由で、重たいバーベルを上げまくったり、負荷をかけて走りまくったり、飛びまくったりという一般的なトレーニングをほとんどしないらしいのです。

それこそ室伏選手でいえば、新聞紙をテーブルの上に広げて、その中心を片手で掴んでひたすらボールのように小さく丸めていくトレーニングをしたりします。

これを1,000枚とか2,000枚とか、延々と一日中やっているんです。

完全に意味不明でしょ(笑)

もし握力を鍛えたいのであれば、普通に握力を鍛える器具を使えばいいじゃないですか。

でも、室伏選手にとってはどうしても新聞紙じゃなければダメな理由があって、何らかの”必然性”のもとでやっているわけです。

何らかの意味を確信しているからこそ、朝から晩までそんなことを延々と続けられるとも言えるでしょう。

矢島秀人
逆に、多くの人が続けられない、あるいは途中で飽きて投げ出してしまうのは、その効果や意味を疑ってしまうからです。

当然ですが、

「これをやって、本当にハンマー飛ぶようになるのかなぁ」

と疑心暗鬼になりながら、その行為を延々と続けることはできません。

大した必然性を感じることなく、軽い気持ちで「室伏もやっているから俺もやってみよう」と見よう見まねで始めたところで、恐らく大した効果は得られないでしょう。

これが必然性という感覚です。

それじゃなければどうしてもダメな何かっていうものを見つけられるかどうか。

どんな分野の一流選手でも、わりと変わったトレーニングをしている人が多い印象がありますが、決してそれは奇をてらっているわけではない。

それをやらないと伸びない、凡人には到底理解できない何らかの感覚があるのだと思います。

そして、これが必然性と呼ばれるものの正体です。

矢島秀人
自分の中で何らかの必然性が持てるまで、しっかりと突き詰めて考えることができるかが肝になるわけです。

 

②意志力

自分がやると決めたら最後までやり抜く力のことです。

勘違いして欲しくないのは、これは単なる根性論ではないということ。

先述した通り、必然性の感覚があるからこそ継続できるわけで、もしこの感覚がなかったら、

「別にこれじゃなくても良いんじゃね?」

という感じで目移りします。

でもって、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ・・・。全てが中途半端になって、最終的には何も残らなくなってしまうでしょう。

特に、室伏さんはハンマー投げの選手の中では非常に小柄でした。

体格では明らかに不利な状況にも関わらず、世界のトップに君臨し続けたことが彼の偉大なところであり、それを根底で支えたのが強靭な意志力だったのではないか、と。

そこには決して諦めないという純粋な意志力の他に、強い必然性に支えられた確信みたいなものがあったのだと思います。

矢島秀人
科学的な研究の結果では、一流の人ほど「我慢強い」というデータも出ています。

 

③ルール設定

3つ目は、ルール設定です。

一流の人ほど、これが凄く上手だと言われています。

当たり前ですが、何かやる度に、いちいち自分で「よし、やるぞ!」「よし、やるぞ!」と気合いを入れていたら何事も続きませんよね。

多分、それだけで疲れちゃいます。

でも、それを習慣化してしまえば、そこに意志力は要らなくなります。

例えば、毎朝走ると決めたなら、朝起きて眠かろうが、辛かろうが、雨だろうが、風だろうが、とりあえず着替えて外に出てみる。

このようなルールを設定することで、意志力によって心が消耗するのを避けることができるのです。

何でもかんでも根性だけで乗り切ろうとすれば、いずれ必ず限界がやってきます。

モチベーションを効率良く発揮させるためにも、それが有効に働くような環境を整えることが重要なのです。

矢島秀人
もちろん、絶対に意志力を使わなければいけない場面もあります。そのためにも、ルーティン化できる部分はルーティン化して、できるだけ意志力は蓄えておいたほうが良いと思います。

 

④孤独の有意味化

何事も1人で打ち込むということは、物凄く孤独な作業です。

普通の人はそんなに長時間1人ではいれません。

きっと誰かと喋りたくなるし、「今オレ、こんなこと頑張ってんだ!」とか「お前もちょっとやってみろよ!」とか言いながらやりたくなってくる。

嘘だと思うなら、室伏選手のように新聞紙を一日中黙々と丸め続けてみてください。

大抵の人は、20分も持たずに嫌になると思います。

でも、そういうことです。仮にそれが楽しいものだったとしても、一日中ずっと集中して何かに打ち込むということは、相当しんどい作業なのです。

じゃあ、なぜ一流の人たちはそれが可能なのか?

もちろん、先にあげた必然性の感覚や意志力の強さも重要ですが、それと同じくらい孤独に対する意味付けが上手いことが分かっています。

要するに、寂しいとか、虚しいとか、つまらないとか、そういうネガティブなことを考えるのではなく、

「この孤独こそが、自分の内面を育むんだ!」

「この苦しい時間こそが、良い記録につながるんだ!」

と、ポジティブな意味付けをして、それを乗り越えていく力を持っているのです。

これは科学的にも実証されていて、先述したヨーロッパの音楽院を対象とした研究でも明らかになっています。

トップグループの人たちも、決して1人で練習することが楽しいなんて思っていませんでした。

それどころか、つまんないし、きついし、辞めたいと、みんな答えています。

むしろ、アンケートの調査結果では、トップグループにいる人のほうが「練習がつらい」と回答している割合が多かったくらいです。

やっぱりみんな苦しいし、上に行けば行くほどその苦しみは大きくなっていきます。

その壁を乗り越えるためにも、一人ぼっちでやっていることに意味を与え、時には自分を納得させるような作業も必要になってくるわけです。

 

⑤ディテール

最後が、ディテールに対する感覚です。

「神々は細部に宿る」という言葉もありますが、要するに細かい部分までちゃんとこだわることが出来るかどうかってことです。

例えば、ピアノでいえば、同じ部分を押さえて「ジャ~ン!」と弾けば、誰でも同じ音を出すことはできますよね。

だけど、音の質は違います。誰がどう弾くかによって、全く違う音色が生まれるのです。

具体的な例を1つあげると、ヨーロッパの音楽院に通っている声楽家にアンケート調査を実施したところ、トップグループの人たちの多くは、ボイストレーニングを「厳しい」「辛い」「細かい」と答えていました。

逆に、一番下のグループの人たちは、「楽しい」「大声が出せる」「ストレス発散」などと感じていたのです。

何事も細かいところまで気にし始めたら終わりなんてありません。

だから一流の人たちは、その終わりがないことを承知のうえで、それを丁寧に一個ずつマスターしようとするから、余計に練習が厳しいものだと感じたのだと思います。

一方、二流以下の人たちは粗く、意識も乱暴で、ディテールが詰められてない。

このディテールを詰めるという感覚は、技術でもそうだし、知識でもそうだし、あるいは経験でもそうですが、どこまでモノを細かく見れるかということと密接に関わってきます。

つまり、一流の人ほど世界を丁寧に捉えているとも言えるのです。

最後に

今回の話をまとめると、天才を研究して分かったことは以下の2つ。

①対象に打ち込んだ総時間
②「一人」で打ち込んだ総時間

これらが、一般の人と比べて明らかに多かったということ。

そして、これらを根底で支えているのが、

①必然性
②意志力
③ルール設定
④孤独の有意味化
⑤ディテール

以上、5つの条件という風に言えるのかなぁと思います。

野球のイチロー選手も、

イチロー
僕だって、勉強や野球の練習は嫌いですよ。誰だってそうじゃないですか。つらいし、大抵はつまらないことの繰り返し。でも、僕は子どものころから、目標を持って努力するのが好きなんです。だってその努力が結果として出るのはうれしいじゃないですか。

と、インタビューで語っていました。

天才を作っているのは、圧倒的な努力量とメンタルの強さ、そしてどれだけ試行錯誤できるかなんじゃないかなと思います。

しかも、それは1人ぼっちじゃないとできない。みんなとワイワイやりながら試行錯誤するのは不可能ですから。

そういう意味でも、やはり天才は孤独なのかもしれませんね。

アルバート・アインシュタイン

ABOUT運営者

現代社会で生きることを早々と諦め、ノマドになる。税金や法律の都合上、2013年に一人株式会社設立。現在は海の町で暮らしながら、主に執筆活動・企業コンサル・FXトレードなどを行い、個人ビジネスの究極形を追求している。波乗りと自然と平和が好き。ブッダを敬愛してやまない。