どうも、矢島ヒデです。
本日は、タイトルにもある通り、効率的な学習法について考えてみたいと思います。

ブログの読者さんからも、
「なんで、そんなに詳しいんですか?」
「どうやって勉強しているんですか?」
と聞かれることが最近増えてきたので、一応僕なりの学習法を体系立ててお伝えしようかと思った次第です。
結論から言ってしまえば、単純に「いっぱい勉強している」だけの話なのですが(笑)
それだとあまりに芸がないので、今回は僕が普段「どのように学習しているのか?」を一旦全て洗い出してみました。
必ずや人生において使えるものになりますので、ぜひ自分なりの学習法を構築するヒントにして頂けたらなと思います。
記事の目次
学習効率を劇的にアップさせる19のポイント

僕が学習するときに意識しているポイントを洗い出したら、全部で19個出てきました。
この19個のポイントをそれぞれ満たしていくことで、どんどん学習効果は高まっていきます。
例えば、19個のうち1個しか満たせてない場合は効率が低く、逆に全てを満たしている場合は最高に効率がいい。
これが万人に当てはまるかどうかは厳密に検証していないので分かり兼ねますが、自分的には凄く調子がいい。
別に、僕のやり方を押し付ける気はさらさらないけれど、多少なりとも参考になる部分は各々自由に取り入れてみてください。

①学ぶ目的を明確化する
まず重要なのは、
『Why(なぜ?)』
です。
これは学ぶ目的ですね。自分は、「なぜ学ぶのか?」というのを常に明確にしておきましょう。
別に、不純な動機でも構いません。
単純に賢くなりたいとか、お金を稼ぎたいとか、試験に合格したいとか、モテたいとか何でもいいんで、
「なぜ学び、何を達成したいのか?」
という部分を明確にすることが重要です。
これが定まらないと、何も学習が始まらないので是非やって欲しいなぁと思います。

②F.O.C.U.S.理論
効率的に勉強するためのテクニックの1つに、『F.O.C.U.S.理論』というものがあります。
一般的に、FOCUSは”集中する”という意味ですが、ここではちょっと違う意味で使っています。
・Follow One Course=1つの道を行け
・Until Successful=成功するまで
これは、アメリカでそこそこ有名なメンタルコーチが提唱していた概念です。
彼の名前は忘れましたが、まさにその通りだと思います。
僕も、自分の興味があるテーマを深く掘り下げていくことを重要視しているんですよね。
そして、さらに3本の深い穴を目指す。そうすることで、その穴同士で横穴が勝手に作られて、有機的にどんどん知識が結びついていきます。
さらには、1本の穴だとその道の第一人者になることは中々難しいけれど、3本の穴になると組み合わせは無限大です。
それらを有機的に結びつけることができれば、自分だけの独壇場が作れます。
これは、ある種のニューロンやシナプスの関係と似ているかもしれません。
新しく学んだ知識がぴょこぴょこと互いにくっついて、そこから新しい『知』が生まれてくる。
ジェームス W.ヤングじゃないですが、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない、と考えれば至極当然の話です。
そのためにも、自分が興味のある分野の本を最低10〜20冊くらいは読んでみてください。
あくまで目安ですが、同じ分野の本を10冊くらい読めば、大概の人には負けないくらい詳しくなります。
まずは、そのような状態を目指しましょう。
③手当り次第に学ぶ
一流のインテリジェンスとは、一見相反する2つの考え方を一つの脳に同居させる事が出来ることである。
- F・スコット・フィッツジェラルド -
(アメリカのSF小説家)
3つ目のポイントは、手当り次第に学ぶことです。
これは先ほどの『②F.O.C.U.S.理論』とは一見相反する概念ですが、選り好みをせず、ほんの少しでも気になったものはすぐに調べる癖をつけましょう。
このとき、深く掘り下げることはあまり意識しなくても構いません。むしろ、今まで興味が湧かなかったものこそ、手当り次第に広く浅く学んでみてください。
そうすることで、脳の全領域が活性化していきます。
脳というのは不思議なもので、例えばネガティブな感情は右前頭葉、ポジティブな感情は左前頭葉という風にそれぞれ使う領域が違っていて、両方が同時に活性化することは基本的にありません。
さらには、計算式をひたすら解いているときと、哲学的な思考をしているときでも脳の活性化している部分が違うと言われています。
つまり、色んなジャンルの勉強をすることによって、脳のあらゆる領域が活性化され、どんどんと頭が良くなっていくのです。
そして、手当り次第に学ぶなかで、興味が出てきたものに関しては深く掘り下げてみましょう。

④マインドマップ的な増殖思考
マインドマップとは、イギリスの教育者トニー・ブザンが開発したもので、自然な形で脳の力を引き出す思考術のことです。
上図のような『放射思考』と呼ばれる脳の仕組みがもとになっており、1つの情報から別の情報へと紐付けられ、またその情報が別の情報へどんどん派生していく構造になっています。

具体的には、勉強をしているときに、何か関連キーワードが出てきたら、すかさずメモを取って忘れないうちにAmazonやGoogleで検索をかけてみるんです。
そこで関連書籍が見つかったら、Amazonのカートにとりあえず入れておく。
あるいは、Wikipediaや関連ブログをチェックしたり、Yahoo知恵袋や掲示板、YouTubeなどの動画サイトを流し見したり、とにかく忘れる前にすぐ調べることが重要です。
こうやって、自分の中の知識や関心をどんどん放射状に広げていくことで、日頃思ってもみなかったアイデアが突然生まれてくるキッカケにもなるのでおすすめです。
⑤本は迷ったら買う
これが僕のポリシーです。
過去の記事でも書きましたが、
「おすすめの本は何ですか?」
という質問は見当ハズレだと思ってください。
迷ったら、失敗しようがなんだろうが全部買うのが基本です。
気になった本はとりあえずカートに入れておいて、お金が貯まったら少しずつ買っていく。
別に、すぐ買わなくてもいいんですよ。まずは、カートに入れる癖というのをつけて欲しいと思います。

それが700〜5,000円くらいの間で手に入ってしまう。こんなのタダ以外の何者でもありません。
もしも、僕が大好きなカントやヘーゲルやデカルトが現代に生きていたとして、
「直接教えてください!」
なんて言ったら、いくらお金がかかるか分からない。
当時はそんなに高くなかったかもしれないけれど、今これほどまでに彼らの評価が確立していて、さらには資本主義がここまで発展してしまった世の中では1時間100万、200万じゃ効かないと思うんですよ。
でも、今なら岩波文庫とかで買えば数百円で済んでしまう。もう本当タダより安い買物です。
本は失敗しようがなんだろうが、迷ったら全部買ってくださいね。
⑥本を読むスピードを分ける
本の内容に合わせて、読書スピードは分けたほうがいいです。
ちなみに、僕は以下3つのコースに分けて読んでいます。
・30分コース(90/100冊)
・1時間コース(7/100冊)
・3〜10時間コース(3/100冊)
本の難易度やボリュームによっては10時間くらいかかるときもありますが、一応これが目安です。
そして、仮に100冊あったら90冊は30分コース、7冊は1時間コース、3冊は3時間コースくらいの割合になります。

大半は、わざわざ時間をかけてまで読む価値がない本。パラパラっと中身を見て、重要度が低そうな部分は飛ばしながらサクサクと読んでしまいましょう。
もちろん、どんなにクダらない本でもあっても、一個や二個くらいは学びになる部分があるはずなので、すぐに捨てろとは言いません。
(ちなみに、僕は本は捨てない派ですね。)
ただし、このようにレベル分けしてある程度『量』をこなさないと、結果的に1年で数冊の本しか読めなくなってしまいます。
極端な話、全ての本を一字一句、初めから終わりまで丁寧に読んでいたら、いくら時間があっても足りませんからね。
とにかく、重要なのは『3時間コース(3/100冊)』の本をいかに丁寧に読むか?
実際、その他の97冊は読んでも読まなくてもいい本です。じっくりと読む”3冊”に出会うために100冊読んでいるだけで、全てを精読する必要なんてありません。
僕の感覚的には、本気で”歴史に残っていくような本”や”人生を変えていくような本”なんて、恐らく1万冊のうち1冊もないと思ってます。
そう考えると、100冊のうち3冊も当たりが出ててくるなんて奇跡みたいなもんです。
その当たりを引くためにも、本の選び方は凄く重要なんですけどね。一応本の選び方についても、過去の記事で書いているので興味がある方は参考にしてみてください。
⑦二度読みのすゝめ

これは、ここ2〜3年くらいでやり始めた読み方です。
まず一発目は、僕が重要だと思う箇所のメモを取りながら、じっくりと3時間以上かけて読む。で、ひとしきり読み終わったら、次にその自分で取ったメモを見ながら、その本の内容を30分以内でザーッと復習するわけです。
もし、マインドマップが好きな方は、そのメモを基にマインドマップを描いてもいいですが、僕は面倒なのでそこまでやりません。
いずれにせよ、復習時間をたった30分加えるだけで、記憶の定着率や理解度が数段変わります。
さらに言えば、本に直接メモや線を書き込むよりも、個別で『読書ノート』みたいなものを作ったほうがいいでしょう。
わざわざノートなんて作るのは、「時間のムダ」「意味がない」など否定的な意見を言う人もいますが、僕は断然”肯定派”です。
これをするしないで、記憶の定着率が全く変わってくるし、深い知識を得られるかどうかに関わってくる重要な問題なので、是非やってみて欲しいなぁと思います。
そんな時間もかかりませんからね。
確かに、綺麗に色分けして丁寧にまとめようと思ったら大変かもしれませんが、僕なんかはカテゴリー分けもせず、ボールペンでばばばっと時系列に書くだけなのでほとんど手間はかかりません。
で、空いた時間にそれをパラパラと読むだけです。
一冊のノートに色んな本のエッセンスが詰まっているので凄く学習効率がいいし、自分にとって有益な世界に1つだけのノートができるといったメリットもあります。
さらには、色んなジャンルの本のメモがあるので脳のあらゆる領域が刺激されるし、それによってアイデアや発想も浮かびやすくなるのです。
本当いいこと尽くしなんで、ぜひ読書用ノートは1冊準備して欲しいなぁと思います。
また、具体的なメモの取り方についてはこちらの記事で公開しています。
この記事は、過去に読者さんから「具体的にどんな風にメモするんですか?」みたいな質問をいただいたので書きましたが、正直メモなんて各々好き勝手取ればいいというのが本音です。
⑧著者と対話をする
本を読むとき、もしくはオーディオブックやDVDで学習するときは、必ず著者と『対話』をする意識を持ちましょう。
本を読んだり、聞いたり、見たりしているだけでは不十分です。それだけだと、どうしても受動的な活動になってしまいます。

例えば、本の中で、
「○○は××です」
という主張があったときに、
「なぜ○○は××なのか?」
という疑問を吐き出し、その答えを得る。
そして、その得た答えに対して、
「いや、私は○○は☆☆だと思うんですけど!」
とか言ってみる。
そのような対話を繰り返しながら、日々の学習に取り組んでみてください。
世の中には、あまりにも『学習=吸収』という風に勘違いしている人が多すぎます。だから、多くの人はインプットばかりで、アウトプットが下手くそなのです。
口説いようですが、
学習=インプット×アウトプット
です。
インプットのない学習はありえないし、その逆も然り。どちらかが欠けてしまったら、それは学習とは呼べません。
なので、インプットとアウトプットは同時に行うこと。そうすることで、アクティブかつ実用的な知識を得ることができます。
特に、対話という形式は『インプット+アウトプット』を同時に兼ねているので、このやり方で読んでいくのが個人的には一番効率がいいんじゃないかなぁと考えているわけです。

インプットとアウトプットを同時にやるからこそ、効率的に知識を定着させることができるんです。
⑨「根本」を探す
根本とは、別に客観的な何かではなく、主観的な何かで構いません。
自分の中での根本を掴まない限り、何が本当で何が嘘かの判断が付かないので、すぐに騙されてしまいます。
我々がよく騙され、振り回されるものに以下のようなものがあります。
・表面的な事象
・数字・データ・言葉
1つ目は、表面的な事象です。
例えば、
「ブログは終わった、これからはYouTubeの時代だ」
「YouTubeは競合が多いから、インスタグラムがいい」
・・・等など。
こういったものを表面的な事象といいます。
2つ目が、数字・データ・言葉です。
特に、数字やデータを出されると人々はそれを信じる傾向が強いですが、数字を正しく見るためにはかなりの専門教育が必要になってきます。
そのため、大抵の数字やデータは自分には読めないと思って接するくらいで丁度いいのです。
もちろん、意味は分かる思いますよ。だけど、本当の意味で理解できる人は数えるくらいしかいないと思って間違いありません。
僕だって常にそうです。例えば、何かのグラフやデータを示されたときに、

というスタンスを取るわけです。
別に「全部嘘だと思え!」ってわけじゃなく、数字やデータに我々はよく騙されるので、鵜呑みにせず十分に気をつけましょうってことです。
⑩右向け左
これは、
「人が右向いたら、左を向け!」
というごくごく単純な話です。
要するに、みんなが嫌がること、最もやらなそうなことから敢えてやってほしいんです。
例えば、ビジネスが学びたくてビジネス書を読むとか、あるいはマーケティングが学びたくてマーケティングの本を読むとか・・・。
極めて普通のことですよね。こんなの当たり前のように、みんなが考えることじゃないですか。

あなたは、「普通の人を目指しているのですか?」ってな話です。
普通を目指しているなら、こんなマニアックなブログは読んでないと思います(笑)
恐らく、「周りと差をつけたい」「自分は違うんだ」ってことを世界に表明したいという欲求を少なからず持っているはず。
だったら、みんなと違うことをやらなければダメです。
先ほども例に出しましたが、ビジネスの勉強をするために、ビジネスマンはこぞってビジネス書や自己啓発書なんかを読み漁っています。
デール・カーネギー、ナポレオン・ヒル、ホリエモン、DaiGo等など、何やかんや読み始めるわけです。
なかには、
「本屋に行ったら、真っ先にビジネス書のコーナーを見ます」
「私の読む本の9割以上はビジネス書です」
なんて方もいるでしょう。

次に歴史のコーナーに行き、次が漫画のコーナーです。
恐らく、この順序は誰もやっていないと思います。これは別に誰もやってないからやっているわけじゃなく、この順序が自分にとって役立つと思うからやっているだけです。
とはいえ、これは普通ではありません。
ビジネスの勉強がしたいと思って、
「よし、哲学を学ぼう!」
なんて人は中々いませんからね(笑)
歴史だって同じです。よく「歴史に学べ」と言っている偉い経営者がいますけど、それを実践している人はほとんどいないのです。
情報をパクパク食べるときに重要なのは、以下の2点です。
・誰も読まなそうなところからヒントを得る
・誰も気に留めなそうなところに注目する
これが人と違う、周りより抜きん出る結果を出す最大のコツといっても過言ではありません。
クドいようですが、みんなと同じことやっていたら、いつまで経ってもみんなと同じまま。これはどんなに強調してもし過ぎることはないくらい重要な話です。
その他大勢から抜け出すためにも、まずは「右向け左!」を肝に命じて欲しいなぁと思います。
⑪人に説明する
新しく学んだことは、すぐに人に説明してください。
これが記憶の定着率を高める秘訣です。
周りから、
「なんだ、コイツうるせーな!」
「何1人でブツブツ喋ってんだよ!」
と言われてもやってくださいね(笑)
人に何かを説明するとき、脳のあらゆる領域を使います。自分の口を使い、耳を使い、身ぶりや手ぶりを使うなど様々な感覚器官を総動員することで、脳に強く刻み込まれるのです。
また、相手に伝える際は、どんな言葉でどのような表現をすればより伝わるかと試行錯誤するため、その過程で記憶にも残りやすくなります。
この方法は、脳科学や心理学などの臨床実験でも効果が裏付けられていますので、是非騙されたと思ってやってみて欲しいなぁと思います。
実際、僕もセミナーで話す内容などを考えているときは、事前に奥さんにベラベラとその内容を喋っています。
そうすることで、記憶にも定着しやすくなるし、自分のアラも見えてくるし、さらには適切なフィードバックも貰えるので一石二鳥です。
また、僕は今このようにブログを書いていますが、読んだ文章を忘れることはあっても、自分で書いた文章は忘れません。
3年前に書いた文章でも、一度読み返せばそのときの記憶がありありと蘇ってきます。

1万文字近く書いて、画像を挿入して、校正までして・・・。
ただでさえ忙しいのに、さらにブログに時間を割いているという事実がありながら、それでも毎年収入は上がっていますからね。
案外、ブログを書くようになって、よりビジネスに詳しくなりました。その成長が実感できるからこそ、僕は遊ぶ間も惜しんでコツコツとブログを書くわけです。
人に説明することで、その知識は全て自分に返ってきます。逆に、誰かに何かを説明できなければ、それは学んだうちには入りません。
例えば、何百冊の本を読もうが、何千冊の本を読もうが、その内容を人に説明することができなければ一冊も読んでないのと同じです。
そのくらいの覚悟を持って、日々学習には取り組んでほしいなぁと思います。
⑫脳を過労死させる
「脳を過労死させる」と書きましたが、実際に脳は死なないので安心してください。
科学的に言えば、脳は使えば使うほど発達します。ガシガシ使ってもおかしくなることはないので、ご安心ください。
疲れたら脳は嫌でも休息するし、最後は眠ってしまいます。
なので、脳を過労死させるつもりで、24時間フル稼働する気持ちでやっていきましょう。
具体的なトレーニング法は以下の通りです。
・記憶する
・思い出す
・比較する
単純ですが、これが頭を良くする最もいい訓練法だと思います。
この作業を繰り返すことによって、主に理性や思考力を司る『前頭前野』が発達することが研究の結果明らかになっています。
例えば、夜ごはんを食べるとき、朝食と昼食のメニューを同時に思い出してみる。そして、それを夜ごはんのメニューと比較してみるとか。
他にも、朝の通勤中に「昨日何したかな?」「今日やるべきことは何だっけ?」「3日前は何してたっけ?」みたいに考えてみるとか。
もう本当そんな単純なことで構いません。
そいうことを常日頃やっておくだけで、脳はどんどんと活性化されますので。
是非、日々脳を良くしようという意識は忘れないでほしいなぁと思います。
⑬妄想癖を持つ
妄想力は大事です。
例えば、あなたは文字を読みながら”匂い”を感じますか。
あるいは、映画を観ながら実際に”痛い”と感じますか。
はたまた、音楽を聴きながら”暑い”と感じますか。
これらを感じるためには、妄想力と五感をフルに使う意識が欠かせません。
1つ面白い実験があります。これは脳科学の実験ですが、明確にイメージ(妄想)をするだけで”実際の瞬発力が上がった”という結果が出ているのです。
妄想をすることで、脳の中の『運動野』という領域が活性化され、いつも以上のパフォーマンスが発揮されたわけです。
これは運動に限らず、ビジネスだろうがアートだろうが、どんな分野でも妄想力は欠かせません。具体的なイメージができなければ、それを現実にできる可能性は極めて低いでしょう。
少し乱暴にいえば、妄想しない人はあまり頭が良くない人だと言えます。
是非、普段から色々なことを妄想する癖をつけてください。
⑭ストレスフリー
ストレスは、脳にとって最悪なこと。百害あって一利なしです。
なので、一般的に体に良くないと言われている酒・タバコ・コーヒーは辞めたほうがいいですが、もしやめて強いストレスになるようなら続けたほうがいいと思います。

そして、何かを学習するときも、楽しいことや興味があることから始めてみてください。
前半で「3本の深い穴を目指しましょう!」と言いましたが、これも興味がある分野じゃなければダメです。
嫌々やっても長続きしないので、結果的に深まることはありません。
例えば、毎日運動するのは間違いなく脳には良いことです。だけど、あまりに強いストレスになるならやらないほうがいいでしょう。
他にも、科学的に脳を良くする食べ物は、納豆や豆腐や豆乳などの原料である『大豆』だけだと言われています。
実は、脳科学の分野では脳に良い食べ物に関する研究はほとんど行われておらず、それ以外はまだ発見されていないのです。
栄養学的には知らないですよ、あれは一種の宗教なんで。
とにかく、大豆っていうのは凄く脳にいい食べ物です。とはいえ、あなたが大豆嫌いでしょうがないのであれば、それは無理して食べないほうがいいと思います。
このバランス感覚がとても重要なのです。
他にも、自分にご褒美を与えることで、ドーパミン(快楽物質)が体内で分泌され、大きなエネルギーを引き出してくれます。
例えば、英単語の暗記が苦手なんだけど、それを達成した暁にはハワイに行こうとかね。そういう楽しいことっていうのは、凄く脳を発達させるので積極的にやったほうがいいです。
実際やってみると、日常のストレスから解放されるだけで、恐ろしいほど脳が活性化していくのが分かると思います。
⑮運動をする
運動によってのみ活性化する脳領域があることが、科学的な実験で明らかになっています。
まずは、1日30分で構いません。無酸素・有酸素運動をどちらもやることで、脳が活性化するのでおすすめです。

それは何故なのか?
他の動物と人間においてもっとも異なる点は、前頭前野内の『前頭極(10野)』が大きく発達していることです。
かつては、ヒトが二足歩行になり、両手が自由になって、道具を使うようになったから脳は発達したと考えられていましたが、どんなに実験をしても科学的な裏付けが取れませんでした。
ヒトの脳が進化によって異常に大きくなった理由を巡る論争は、研究者の間で数十年間も続いており、おびただしい数の学説が出されています。
そんな中、
「どうやら、原始人が肉食獣を追って長時間走ることで脳が発達したんじゃないか?」
という新説が2004年に発表され、かなり有力視されています。
過去の猿人の骨格を比較して、そのような結論が導かれたのです。
また、昨今の研究で前頭前野は時速9キロで走ると活性化することが証明されています。
実際、走ることで脳はスッキリします。スッキリする感覚があるということは、脳内で何かしらの変化が起こっていると考えるのが自然じゃないでしょうか。
アメリカの金持ちやビジネスマンも、仕事前の1時間くらい運動をしています。このようなことを意識しているかどうかは分かりませんが、結果として頭の調子が良くなっているようです。
是非、運動をしてください。
どうしても運動が嫌いで仕方がない、運動したら一日中やる気が起きないとかであれば強要はしませんが、できれば運動はしたほうがいいんじゃないかなと個人的には思います。
⑯大量インプットの最適化

最も最適なタイミング、つまり意識的にインプットすべき時間はいつなのか?
これは、「夜寝る前」と「運動前」が良いと言われています。
夜寝る前は有名ですよね。寝ている間に記憶が定着するという話は一度や二度聞いたことがあると思います。
寝る前に大量にインプットして、朝起きたらその内容をまたすぐ復習する。これを寝起きのたった30分やるだけで、記憶の定着率が何倍も変わってきます。
あとは、運動前です。先述した通り、運動しているときは脳が活性化されて、あらゆる領域が動いています。
例えば、ジョギングする1時間くらい前に一気に3冊くらい本を読んで、そこから走りに行くと驚くほどアイデアが出てくるのでおすすめです。
これは、本当びっくりします。僕もこれをやり出してから物凄く学習効率が良くなったので、是非試してみてください。
⑰結果を期待しない

とはいえ、「1」の結果を期待して、「1」のことを学ばないで欲しいんですよね。
例えば、年収を100万円上げたいから、その100万円分の量を学ぶという発想をやめてください。
学校の勉強でも一緒です。テストで80点を目指したら、70点しか取れないじゃないですか。120点目指すからこそ、初めて100点が取れるのです。
『取らぬ狸の皮算用』じゃないですが、やる前から打算的なことばかり考えていると、いつまで経っても学習効率は上がりません。
それはセコい。
勉強して何かを生み出してやろうとか、一発儲けてやろうとか、何かアイデアを絶対に得てやろうとか、そのような強い意思は別にいらないです。
まずは、学んだら「学んだこと自体に価値があった」と考えてみてくさい。
で、あとは学んでいれば、自ずと結果はついてきます。得た知識が有機的に結びついていけばいくらでもアイデアは湧き出してきますので、どうか心配しないでください。
そして、もう一つ忘れないで欲しいのが、成功までの道筋は『曲線』を描くということ。
イメージは以下のような感じです。

全ての目標は、このように『曲線』を描きながら達成されます。
そのため、「1」を学んでも「1」の結果は出ません。「2」を学んでも「2」の結果は出ません。はたまた「5」を学んでも結果は「0」のままです。
だけど、「10」を学んだときに、突然「100」の結果が出たりします。
何をするにせよ、最初は成果が上がらなくて当然です。しかし、コツコツと努力を重ねていくうちに、ある地点から急速に結果が出始めるのです。
これだけは覚えておいてください。
大きな成果は、必ず遅れてやってくる。どんな分野でも、成功した経験のある人は、例外なくこの曲線の存在に気付いています。
何事も一瞬で成功するなんてあり得ないことを知っているのです。
目先の結果ばかりに捉われると、人間性と視野がどんどん狭まってしまいます。結果よりも、過程を楽しむことにフォーカスしてみてください。
もちろん、何らかの目標は立てるけれど、その先の結果を期待することは放棄する。
このバランス感覚が凄く重要なのです。
⑱無知の知
『無知の知』とは、古代ギリシアの哲学者ソクラテスが提唱する概念です。
要するに、

という意味です。
僕はソクラテスが好きなので、この概念を胸に刻み、学べば学ぶほど「自分は何も知らないんだ」と思うようにしています。
「自分は色んなことを知っている」と思った瞬間から、知的堕落が始まり、傲慢になって人間的な成長が望めなくなってしまうのです。
上から下を見下ろすのではなく、常に下から上を突き上げていく。満足したら、そこで人生は終わりですよ。
満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、 満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。
- J・S・ミル -
(イギリスの哲学者)
これは、イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの言葉ですが、言い得て妙だなと思います。
謙虚さを失ったら、何事も上手くいきません。「自分は何も知らない」ということを自覚し、一生学び続ける姿勢を忘れないようにしましょう。
⑲現実的な仕方で問う
以上のことを踏まえて、僕らはビジネスの勉強をしたり、哲学を学んでみたり、歴史を探求してみたり、これから色んなことを学んでいきます。
そのときに、まず考えるべきは「あなたは、なぜ勉強するのか?」ってことです。
もちろん、それが「ただ楽しいから」という単純な理由もあるだろうし、年収を上げたいという場合もあるだろうし、何か資格のようなものに挑戦したいという方もいると思います。
学ぶ目的は人それぞれ違うんだろうけど、恐らく大体の場合で”世界をより正しく捉えたい”っていう想いがどこかにあると思うんです。
真理や真実みたいなものに少しでも近づきたい。
そして、自分や周りの人の人生をもっと豊かにしたい、もっと楽しくしたい、もっと幸せになりたいという想いがあるからこそ勉強している。
つまり、まず世界があって、それを正しく理解するために知識を使う。
関係としては、世界が『主』で、知識が『客』です。
しかしながら、勉強を一生懸命やっていけばいくほど、大体これが逆転します。
これは、よくよく勉強している人ほど実感があるかもしれません。僕はちょっと前に思うところがあって、何とか気づくことができました。

科学哲学者のトーマス・クーンが提唱した『パラダイム』という概念は、まさにそれを典型的に表した言葉であって、自分が知っているような在り方、都合の良い在り方でしか世界を見れなくなる。
この現象をアリストテレスは非常に上手く表現しています。
道徳的な善さと理論的な知識に同程度の厳密さを求めることこそ、教養のなさの表れである。
- アリストテレス -
(古代ギリシアの哲学者)
要するに、知識とはあくまで世界を把握するための従属物であるはずなのに、これが理性的な勉強をすることでグングンと伸びてきて、まぁ”主”とまでは言わないまでも『イーブン(対等)』の立場になるまでに地位を上げてくる。
それを『教養のなさの表れである』とアリストテレスは言っているわけです。
これは勉強熱心な人ほと陥りがちな罠なので、充分に気をつけて欲しいなぁと思います。
僕らっていうのは現実の中に生きている。ある問いの答えは、現実の中にのみ存在します。
当然ですが、現実の問題を解決したければ、その答えは『現実』にしかありません。
いきなりプラトン的なイデアの世界にポーンっと飛んでいくのではなく、どうか現実を現実的な仕方で問うていくことを忘れないでください。
最後に

これは福沢諭吉の有名な言葉です。
この言葉が書かれている『学問のすゝめ』とは、ざっくりと言えば実学の重要性を説いた本です。
福沢は具体的に何を言っているのかというと、学ぶ続けることが人間としては上質なんだ、と。
でも、そのためには金が要りますよね、金を稼ぐためにには馬鹿じゃダメですよね、だから学びたければ稼ぎなさい、稼ぎたければ学びなさい、と。
要するに、
「勉強するためには、お金が必要だよね?」
という素朴なことを言っており、そのために実学を推奨しているわけです。

明治の知識人は凄い。頭いいし、勉強しているし、学問への姿勢がハンパじゃない。
彼は、当時としてはかなり革新的なことを言っていたので、凄い批判されたし、脅しもヒドかったらしく、普通に歩くのもままならないくらい脅迫状とか届いてたみたいです。
それでも、決して自分の主張を曲げなかった。
そして『真理』だと思います。特に、福沢さんの時代よりガリガリに資本主義が押し進まった今、これほどの真理はないだろうと思うわけです。
彼の著作を読むと、学習のモチベーションが上がるし、学ぶべきことも非常に多いので、もし興味があれば読んでみてください。
また、僕が実践している具体的な速読法などに関しては、近日中に改めて別の記事で公開しようと思っているので、もう少々お待ちくださいませ。
全部書いていたら、ちょっと長くなり過ぎちゃったので、今回は説明することはやめにしました^^;
もし、どんな本の読み方をしているか知りたければ、取り急ぎこちらの記事で紹介している方法を参考にして頂ければなぁと思います。
以上、最後まで読んでくれてありがとうございました。