どうも、矢島ヒデです。
よくFXの世界では、1割の人だけが勝ち、残り9割の人は負けてしまうと言われています。
正確なデータが見つからず、真意のほどは分かりませんが、実際負けている人が多いのは事実でしょう。

適当なbotを作って、『1時間後に決済する』というエントリーを数万回繰り返せば、勝率はいずれ50%に収束していくものです。
大して勝ちもしないし、負けもしない。
本来、テキトーにやっても負けないのが相場の世界なのです。
では、なぜ多くの人は負けているのでしょうか?
今日はその根本的な理由について考察しながら、FXで勝つためのコツを解説していこうと思います。
今回お伝えする内容は、資金管理(リンク)の次に重要な話なので、じっくりと読んでみてください。
記事の目次
なぜ、FXで負けている人が多いのか?
先述した通り、単純に売りか買いかにエントリーするだけで、勝率50%くらいに落ち着くのが相場の世界です。
しかも、相場には『トレンド』が存在します。
例えば、2018年のビットコインなら上昇トレンドが続いていました。
適当にトレードしても勝率50%なのに、トレンドに順張り(買い)するだけで、勝率はさらに上がっていくわけです。
これだけ聞くと、誰でも簡単に勝てそうですよね。
なのに、なぜ負けている人が多いのか?
その理由の一つに、
「含み損は耐えて、含み益はすぐに利確しちゃう人が多い。」
ことが挙げられます。
要するに、勝てないトレーダー、資金を飛ばすトレーダー。彼らに共通することは、損切りはなかなか出来ないのに、利確はすぐにしてしまう人が多いのです。
これでは、せっかく勝率が高くても、思うように利益は伸びていきません。
この現象を、行動心理学の世界では『プロスペクト理論』と呼びます。
【プロスペクト理論】
人は利益を得る場面では利益を確実に手に入れることを優先し、反対に損失を被る場面では最大限に回避することを優先する傾向があるという理論。
簡単に言うと、
「人は得をするよりも、損をしたくない気持ちのほうが強い!」
ということです。
そして、これは根源的な人間の本能ともいえます。
なので当ブログでも、
「ポジションを持つ前に、必ず損切りと利確のラインを決めましょう!」
と何度も言っているのは、プロスペクト理論に本能のまま従ってしまうと、かなりの確率で負けてしまうからです。
感情でエントリーを繰り返すトレーダーは、当然損切りや利確も感情でおこないます。
そんな冷静さを欠いた状態では勝てるわけがないんです。
失敗トレードとは、明確な根拠のないところでエントリーをして、本来のルールよりも早く決済をしてしまい、損切りすべきところで損切りを行わなかったことを言います。
このようなトレードは、全てポンコツだと思って下さい。
感情に流されては絶対ダメです。
そもそも、事前にどこで損切りするのかさえ決めておけば、焦る必要もないですし、損失が一定以上の大きさになることもありません。
上がっても、下がっても全ては”想定内”なのです。
巷では、FXはハイリスクな投資と謳われていますが、自分でリスクを制御することは充分に可能です。
そのためにも、ポジションを持つ前に必ず損切りと利確のラインを決めること。
そして、
①自分の予測に反したとき、必ず設定したラインで損切ること。
②自分の予測通りに動いたとき、必ず設定したラインで利確すること。
この2点を絶対に守ってください。
単純ですが、こんな当たり前のことが出来ていないため、多くの人はFXで大損しているのです。
エントリーする前に『リスクリワード』を考えよう!

リスクリワードとは?
では、事前に利確と損切りラインさえ決めておけば、トレードで勝てるようになるのでしょうか?
正直、それだけでは不十分です。何も工夫しないと、負ける割合は増えるでしょう。
そこで重要になるのが、『リスクリワード』という考え方です。
【リスクリワード】
リスクリワード(RR)=利益÷損失
利益と損失の割合のこと。例えば、ビットコインを10,000円幅で損切り予定、30,000円幅で利確予定と考えているなら、そのエントリーのリスクリワードは「1:3」になります。
投資の基本は、リスク(損失)をできるだけ排除し、リワード(利益)を最大限に得ることです。
これを”損小利大”といい、リスクが少ないものに対して、リワードが大きければ大きいほど良いエントリーになります。
で、このリスクリワードが「1:3」であれば、勝率30%でもトレードは負けないんですよね。

以下、バルサラの破産確率表を見てください。

バルサラの破産確率表とは、「ある条件下のトレードをひたすら続けた場合に破産する確率」を試算するものです。
ある条件とは、以下を指します。
●リスクにさらす資金率 (元手)
●損益率(利益÷損失)
●勝率(勝ちトレード数÷総トレード数)
細かい説明は割愛しますが、例えばトレードの平均勝率が30%、損益率が3だとすれば破産する確率は22%となります。
確かに、この数字は決して低いものではありません。トレードルールを改善して、より高い勝率を目指していく必要はあるものの、とりあえず即退場することはないでしょう。
なので慣れないうちは、まずは少額から取引を始めてください。
コツコツと正しい知識とスキルを積みながら、勝率40%まで引き上げることができれば、すぐに破産する確率は1.5%まで減少しますので。
あとは、資金管理さえ徹底すれば勝てるようになるはずです。
逆に、トレードの平均勝率が70%と非常に高くても、損益率が0.2だとしたら、あなたの破産する確率は98%にもなります。
つまり何が言いたいかというと、トレードで勝つためには、高い確率で相場を当てる必要はないってこと。
それよりも、いかにリスクリワードが良いトレードを繰り返していけるのかが重要になるのです。
リスクリワードの具体例
ケース①

上記は、2019年2月5日ビットコインの日足チャートです。
この時点においては、中期・長期ともに下降トレンドなので、大きな流れには逆らわず『売り』から入っていこうと考えています。
(トレンドに逆らわず売買すれば、大きな痛手を負うことはありません。)
そして、今回は「エントリーポイント」「利確ポイント」「損切りポイント」を以下のように定めました。
エントリーポイント → 3,800ドル
利確ライン → 3,200ドル
損切りライン → 3,900ドル
※数字は便宜上わかりやすくアバウトにしています。
したがって利確ラインまでいったら600ドルの利益幅、損切りラインまでいったら100ドルの損失幅です。
リスクリワードに換算すると、
「1:6」
なので、かなりいい感じですね。
ケース②
とはいえ、あらかじめ想定しているエントリーライン(3800ドル)まで上昇しないケースも考えられます。
その場合、以下のようなシナリオも作っておきます。

この場合、
エントリーポイント → 3,550ドル
利確ライン → 3,200ドル
損切りライン → 3,650ドル
※数字は便宜上わかりやすくアバウトにしています。
となります。
したがって利確ラインまでいったら350ドルの利益幅、損切りラインまでいったら100ドルの損失幅です。
リスクリワードに換算すると、
「1:3.5」
なので、こちらも悪くありません。

リスクリワードを設定する際の注意点
エントリーの段階では、そこまで現実味のないリワードを見込んではいけません。
なぜなら、最初はRR1:3のつもりでエントリーしても、結果的に利確が早まり1:2になってしまったら、それは実質的にはRR1:2のトレードだからです。
そのため、
「とりあえず、ここまでは行くんじゃね?」
「もしかしたら、この辺で利確しちゃうかもな。」
というラインがあるのであれば、あらかじめそこをリワードとして見ておくべき。
事前のシナリオは、多少厳し目に設定するくらいでちょうど良いのです。
ちなみに、僕の場合は、”事前に設定したリスクリワード”と”実際のリスクリワード”を毎回エクセルに記録するようにしています。
これをやることで、普段の自分が「どれだけ甘いトレードをしているのか?」ということが一目で分かるので、凄くおすすめですよ。
利確も損切りも同じこと

リスクリワード(RR)の話を踏まえれば、損切りは利確みたいなものです。
なぜなら、トータルでみれば利確しようが損切りしようが、RR1:3のトレードあることに変わりはないからです。
そのため、ターゲットまで待てずに途中で利確をしてしまえば、それは損切りと一緒だし、逆に適切な位置でしっかりと損切りしたなら、それは利確と一緒です。
しかし、多くの勝てないトレーダーは損切りする行為をとても嫌がります。
「損切り=悪」ではありません。損切りは、こちら側で確定させることができる唯一の武器なのです。
そのため、事前に決めたラインに達したら即切ってしまうことが大切です。
毎回ターゲットまで待つことができて、損切りもしっかりとできているのであれば、損切りは期待値の積み増しでしかありません。
最終的にトータルで勝てればいいので、一喜一憂することなく、損失を限定して利益を最大化することに力を注ぎましょう。
エントリーの根拠を持つこと

自分なりに、
「なぜ、ここでエントリーしたのか?」
という問いに、必ず答えられる根拠を持ってください。
例えば、1時間の200日移動平均線(200EMA)が効いているのであれば、200EMA到達でロング、200EMAを超えたら損切り。
ただそれだけの話です。
トレードの根拠に、自分しか分からない難解さなど一切必要ありません。
みんながやっているような、教科書通りのトレードを繰り返して、しっかりとリスクリワードを取っていけば、間違いなく勝てるようになるのが相場の世界です。

勝ててるトレーダーほど、特殊なことはしていません。理に適ったことをしているだけです。
そして、よく分からない相場には一切手を出さず、自分に優位性がある場面のみで勝負を仕掛けています。
「待つのも相場」ではなく「待つのが相場」です。
チャンスなんて幾らでもあるので、しっかりと根拠がある時だけエントリーするようにしましょう。
最後に
最後になりますが、
相場とは、
『人間だから負けやすくできている。』
とも言えます。
なぜなら、適当なbotを作って『1時間後に決済する』というエントリーを数万回繰り返せば、勝率はいずれ50%に収束していくものだからです。

しかも、botは勝手に稼働させておけば時間を取られませんが、自分で相場に張り付いている人はお金も時間もムダにしているわけです。
これほど勿体ないことはありません。
本来トレードとは、自分で課題を作り、自分でルールを決め、それを解いていくという単純な作業です。
「RRはちゃんと取れているのか?」
「どうして、ここで利確したのか?」
「なぜ、こんなところで損切りしてしまったのか?」
という基本的なことを、まずは自分の中で明確にして、日々改善していくことが何よりも大切です。
そして、みんなが知っている当たり前のことを当たり前にできる人が最終的に勝てる世界なのです。
もし現時点で負けている人がいれば、何度もこの記事を読み返してみてください。
きっと何かしらのヒントを得られるかと思います。
それでは、今日はこの辺で。
以上、最後まで読んでくれてありがとうございます。