どうも、矢島ヒデです。
何かを学習するとき、最も基本的な手段が『読書』です。
読書の大切さについては、歴史上あらゆる人物が説いているので、今ここで敢えて「読書が重要ですよ!」という話をするつもりは毛頭ありませんが・・・。
やはり、誰でもできて、さほどお金もかからず、かつ大きな効果を見込めるのが読書だと思います。

例えば、
「俺は本を毎月30冊読んでるぜ!」
「私はすでに何千冊も読んできました!」
と、自慢気に語る人々がいます。
しかしながら、本を何百冊、何千冊、何万冊読もうが、それが使いモノにならなければ全く意味がありません。
そもそも読書とは、インプットした知識がちゃんと記憶に残っていて、さらにそれをしっかりとした形でアウトプット出来てこそ、初めて価値が生まれるものなのです。
そこで今回は、僕自身がさまざまな本を読むなかで導き出した”本当に役立つ読書術”について公開しようと思います。
ぜひ、皆さんにもマスターして貰えたら嬉しいです。
記事の目次
本は読むものではない、著者との『対話』である。
なぜ、本を読んでも記憶に残らないのか?
大前提として抑えておいて欲しいのが、読書とは一方的に文章を読んでいく作業ではないってこと。
読書とは、あくまで筆者との『対話』に過ぎません。
つまり、もし仮にニーチェの著作を読むのであれば、ニーチェとがっつり対話をする意識が必要になってくるのです。
しかし僕がここで、

と声高らかに叫んだところで、これを読んでる人の大半は、

とは思うんだけれど、じゃあ具体的に読書をするとき、「実際どんな風に読んでいけばそれが”対話”であるのか?」という部分が理解できない。
これは、色んな人に読書の仕方なんかを尋ねてみると、

と感じることが大半なので、恐らく間違いないでしょう。
ぶっちゃけますが、

だから、
「本を読んでも、すぐに内容を忘れてしまう・・・。」
「せっかく読書をしても、ほとんど記憶に残っていない・・・。」
という人が多いのも、それは単純に”読んでるだけ”だから残らないんですよね。
そうじゃなく、逆に著者としっかりと対話さえしていれば、ちゃんと頭に残りますから。もし残らないのであれば、そもそもの読書の仕方に問題があるのでしょう。
そういった意味でも、まずはこの対話としての読書術をしっかりとマスターして欲しいなぁと思ってます。
本と対話することのメリット
この対話としての読書がきちんと出来るようになると、その本の印象が頭に強く残るようになります。
例えば、
「あの本といえば、こんな話だったな。」
「10分でまとめると、こんな内容でした!」
みたいな感じで、パッパッパッと瞬時に出てくるようになるのです。
さらに対話なので、常に”アウトプットする形でインプットされる”という利点があります。
当たり前の話ですが、一方的に本を読み散らかし、あとから頭の中でグチャグチャと整理して、必要なときに「さぁ、出すぞ!」っていうやり方はあまり効率的とは言えません。
どう考えても、手間暇かけ過ぎだし、時間が掛かりすぎると思うんです。
そうじゃなくて、すでにアウトプットできる形で、どんどんと情報を取り込んでいけば出すときも圧倒的に早いじゃないですか。
そう考えると、対話という形式は『インプット+アウトプット』を同時に兼ねているので、このやり方で読んでいくのが個人的には一番良いんじゃないかなぁと考えているわけです。
ぶっちゃけ、本を読むだけなら誰でもできます。
だけど、
「実際、どんな話だった?」
「その内容を10分で話してみて!」
と問われたときに、全く考えがまとまってなかったり、それが知識として記憶に残っていなかったり・・・。
あるいは、必要なときにアウトプットできるような形で体系化されていなければ何の意味も持たないのです。

読んだら忘れない読書術〜マインド編〜

①メモを取る
いよいよ『対話する読書』の具体的な方法について話していきましょう。
まず第一に伝えたいのが、”メモを取ること”の重要性について。
最近気づいたのですが、本を読む際に、メモを取るという作業を驚くほど多くの人がしていない。
恐らく一度読んだら理解できるとでも、皆さん勘違いしているのではないでしょうか。
先に言っておきますが、本なんていくら読んだって分からないですからね。
例えば、少し難しめの本を5時間かけて読んだとしましょう。
一方的に学者の小難しい話を聞かされて、
「何を理解できましたか?」
「何か印象に残りましたか?」
「眠くならないんですか?」
ってな話です。
そんなんじゃ間違いなく印象に残らないし、途中で眠くなるのも当然ですよね。
それと全く同じことを読書でもしているという事実が、僕にはにわかに信じられないわけですよ。

自分以外の誰かとは本質的には分かり合えないもんなんだなっていう前提を持ったうえで、モノを喋ったり書いたりしています。
もちろん、それは絶望しているわけではなく。だからこそ、最善を尽くして伝えなければいけないと考えているのです。
だから、人によっては話が長いとか文章がクドいとか思われてしまう要因にもなってしまうわけですが、ある意味それは仕方がありません。
なぜなら、

と、常に思いながら書いているから。
で、この感覚というのは読書をするときも絶対に必要になってきます。
仮に、どんなに優しい本を読むときでも、
「私は、この本を理解することはできないんだ」
という気持ちで、その本と真剣に向き合っているのか。
もちろん言語的には理解できるでしょうが、原理的には到底理解できないんだって気持ちで接しているかどうかが求められるわけです。
恐らく、この時点でほとんどの人がそんなことを考えたこともないでしょう。
”だから、読めない。”
読めた気になっているかもしれませんが、それは読めてないのと一緒です。
だから、まず前提として「この本を読もう!」と手に取ったのであれば、その本を理解することは”自分には不可能である”という謙虚な姿勢で臨むこと。
そのような態度を取ることによって、本質的に私には理解できないのだから、まずは書かれている内容を全力で理解しようとする気持ちも芽生えてくるはずです。
②流し読みしない
確かに、速読が必要な場面というのもあると思うんですよ。
具体的な速読メソッドについては、いずれまた別の機会で話しますが・・・。
ざっくりと言うと、
「今、目の前の本がメモを取るに値するのかどうか?」
を判断するために速読が必要なんですよね。
だから、それを読んで何かを学ぶために必要なのではなく、「その本が読むべき本なのかどうかを知るために必要だ!」くらいの認識でいて欲しいなぁと思います。
なので、例えば通勤中に電車の中でバーっと一気に流し読みをするという行為は、ほとんど読書としての意味はなさないと思っていいでしょう。
何かを学ぼうと思って本を読むのであれば、必ず集中できる『環境』が必要になってくるからです。
もし、そんな時間取れないと言うのであれば、読書によって何かを得ることは難しいと思います。
なぜなら、本の流し読みで何かを学べるほど人は賢くないからです。

このメモは手書きでもいいし、パソコンのメモ帳でもいいし、もちろんスマホでもOK。
とにかく、読書をしながらいつでもメモを取れる状態にしておくことが重要なのです。
そして、このひと手間を掛けるのがしんどいのであれば、この先何を読んでもムダだと思うので本は買わなくていいとすら思ってます。
相当ハードルは高くなりますが、別に本なんて読まなくても、何かしらセンスがある人であれば十分に学ぶことはできますからね・・・。
ただ、僕は本を読むほうがはるかに効率的だし、ラクに学べると思うから読書をしているだけです。
どうせ読むのであれば、確実に学んだことが血となり肉となるような読み方がしたいじゃないですか。
誰だって読書に3時間かけたのであれば、3時間以上の成長が期待できて、自分を確実に成功させてくれるほうが嬉しいに決まってます。
そのためにも、必ずメモを取る。
このひと手間を掛けるかどうかで、格段に理解度は変わってきますので。ぜひ読書をする際は、メモを取る習慣を身につけて欲しいなぁと思います。
③効果的なメモの取り方
ここまで散々メモを取ることの重要性について説いてきたわけですが。
メモを取る方法は、単純な箇条書きのようなものでもいいし、あるいはマインドマップのようなものでも構いません。
各々、やりやすい形で書いていけばいいと思います。
ただし僕の場合、マインドマップは読みながらメモするのにあまり向かないと思っているので、ほとんど書いたことがありません。

それよりも、リアルタイムの対話の如くどんどんとメモを取っていくだけ。
このメモは後から読み返してもいいし、別に読み返さなくても大きな意味があります。
なぜなら、著者と『対話』をしているという感覚が重要だからです。
ちなみに僕の場合、このメモを復習するだけで、本をもう一度読み返すよりもはるかに勉強になっています。
で、こういう話をすると、

と、決まって聞かれることが多いので。
今日は、特別にその具体的なやり方について公開しようと思います。
読んだら忘れない読書術〜超実践編〜

僕が、読書をする際にメモを取るポイントは以下の3つです。
①重要な箇所をそのまま抜き出す。
②自分のアイデアを書く。
③相槌まで書く。
以下で、それぞれの項目について詳しく解説していきますね。
①重要な箇所をそのまま抜き出す
一つ目は、本を読んでいて、
「あ~、ここ大事なこと言ってんな」
「この部分、なかなか面白いぞ」
という風に感じた部分をそのまま抜き出すパターン。
場合によっては、ちょこっと自分の言葉に変えるときもあるけれど、基本的には本の内容をそのまま書き写しています。
どちらにもメリットはありますが、具体的なセリフや一節を丸々自分の中に残すことのほうが、あとから実践の場面で役立つ可能性が高まるんですよ。
確かに、僕も昔は本の大事なところに直接ラインを引くってこともやってたんですけど、それだと一週間くらいするとすぐに忘れちゃいます。
だから、手間は掛かるんだけど、やっぱりちゃんと抜き出したほうが覚えるし、頭も働くのでおすすめです。
特に、本を読む時間があまり取れなくて、一冊を一週間くらいかけて読む人ほど絶対にやっておくべきでしょう。
②自分のアイデアを書く
二つ目が、本の内容について自分のアイデアだったり、意見だったりをメモするパターンです。
たまに本の内容が引き金になり、自分の頭の中で何らかの科学反応が起こって、新しいアイデアがポンっと湧き出てくることがあるじゃないですか。
それは、本文と関係あるアイデアかもしれないし、あるいは全く関係ないアイデアかもしれない。
とにかくポンっと出てくることがあるので、それを適当に流さず、全部記録に残しておくのです。
これがアウトプットであり、著者との対話なんですよね。
これをやらずに、「①重要な箇所をそのまま抜き出す」だけやっていても絶対ダメ。
なぜなら、相手が言っていることを一方的に受容しているだけで、それは決して対話とは言えないからです。
ただ読んでいるだけでは、コミュニケーションが一方通行になってしまいます。
そうじゃなく、本を読んで、
・自分はどう思うのか?
・一体、何に気付いたのか?
ということを考えるほうが数段重要です。
別に無理してアイデアを出す必要はありませんが、そういうものがパッと思いついたのであれば、それは全部メモしておくのが良いでしょう。
③相槌まで書く
3つ目が、メモするときもしっかりと『相づち』を打つこと。
まぁ、こんな話をすると、大抵の人はみんな苦笑いになってしまうわけですが・・・。
僕が本に直接メモを書き込んでいた頃は、重要な箇所には線を引き、新しいアイデアや意見が出たところにはコメントを書き込んでいました。
で、それに混じって、
「なるほどね~」
「ふ~ん、そうなんだ!」
といった感じで、相槌がちゃんと書かれているんですよね(笑)。
恐らく、今読んでいる人の中にも、「わざわざ相槌なんて書く必要があるの?」と疑問に思われる方がいるでしょうが、それは対話ということを前提にすれば当たり前のこと。
普通に考えて、この世に相づちを打たない会話ってありませんよね?
実際の対話を考えてみれば分かると思いますが、相づちって必ず出てきます。しかも、かなりの頻度で出てきます。
それと一緒で、僕が読んだ本にも、まずは重要だと思うところに線が引いてあり、そこからピョ~ンと矢印が伸びていて、余白に「なるほどね~」とか書いてあるわけです。
要は、自分が感心したり、強く同意したりした箇所に相づちを書いていました。
そうすることで、あとからパラパラと復習したときに、

という箇所が分かるし、あるいは逆に「今はまるっきり反対してるけどなぁ」という部分も見えてきます。
これが、仮にただラインを引くだけだと、当時の自分がその意見に賛成していたのか、それとも反対していたのか、もしくは意味が分からないから引いていたのか等など・・・。
あとから見返したときに、混乱してしまうんですよね。
そこで、相づちも一緒にメモしておくことで、「賛成」「反対」「意見保留」「疑問」などがパッと一目で分かるようにしていたのです。
補足:メモを取る際の注意点
勉強熱心な頭の固い人ほど注意して欲しいのですが、本を読んでいる途中で疑問が湧いてくることもあるでしょう。
そんなとき、
「ここが疑問!」
みたいに書いてしまいがちですが、このやり方はあまりオススメできません。
なぜなら、相手が目の前で喋っているときに、何か疑わしいと感じる部分があっても、「ここが疑問!」とは絶対に言わないと思うからです。
もちろん相手との関係性にもよりますが、例えば友達なら、
「そうなの?」
「本当に?」
「マジで?」
という風な言い方になるはずです。
だから、メモするときも、そのまま書くべきなんです。
もし、それだけじゃ不安であれば、相づちのあとにカッコして”(不明)(疑問)(要確認)”のような形で書いておけば問題ありません。
要するに、自分があたかも対話しているかのような気持ちでメモを取って欲しいんですよね。
そして、この感覚こそが、しっかりと知識を定着させて、いつでも引き出せる状態にしておくために重要なことなのです。
最後に伝えたいこと
先述したとおり、本を読むときは必ずメモを取ってください。
メモを取るポイントは以下の3つです。
①重要な箇所をそのまま抜き出す。
②自分のアイデアを書く。
③相槌まで書く。
この3つを組み合わせてメモを取っていくことで、普段の読書から得られるものが大きく変わってきます。
ちなみに、最近の僕のやり方は、本には何も書き込まず、パソコンを開いてエバーノートにどんどんと書き込んでいます。
同意できる箇所があれば、そのまま抜き出して「あ〜なるほどね!」とか付け加えながら、そこで出てきた自分のアイデアなんかも一緒にメモしておく。
例えば、
「自分は◯◯と考えていたけど、✕✕みたいな見方もあって非常に参考になるなぁ。」
と書き込んだり。
他にも、
「じゃあ、☆☆みたいなケースではどうなんだろう?」
と勝手に問いを立ててみたり・・・。
どんどんと書いていくので、最終的には本のメモなのか、自分のアイデア帳なのか段々と分からなくなってしまいます(笑)。
もちろん、この読み方を実践すると、普通に読むよりずっと時間はかかりますよ。
だけど、一回の読書から得られるものは本当に大きいです。
それというのも、今回解説したような地道な作業の賜物でしょう。
最後に、福沢諭吉の有名な言葉を紹介して終わりにしたいと思います。

僕は一ヶ月に100冊読むよりも、確実に自分を成長させてくれる読書のほうが嬉しいし、それによって人の役に立てる領域も増えてくる。
そして、その結果としてお金も稼げるようになるのが楽しいです。
多くの人は、たくさん本を読めば「私の人生も変わるかなぁ。。」と安っぽい幻想を抱きがちですが、ただひたすら読むだけでは全く意味がありません。
意味がないどころか、逆に物凄く浅はかな人間になってしまいます。
だからこそ、やはり一手間も二手間もかけて、本はじっくりと読んでいく必要があると思うのです。
是非、楽しい読書ライフを手に入れて下さいね。
また、さらに具体的な学習法についてはこちらの記事でも詳しく書いています。併せて読んでいただくことで、より一層理解が深まるはずです。
以上、最後まで読んでくれてありがとうございます。